FUJIROCK 2011

夜、原付を飛ばしながら聞いていた「ある光」がぐっときて、それは暑さでだらっとしていた体温を風が冷やして指の先まで感覚が戻ってきてクリアーになってゆく快感と重なって、ああこういうの夏だよねと一年の廻ってしまう早さは体得されたものとしてこういう風に甦る。様々なものをありとあらゆるものを常に分断し続けるナイフで分断され続ける/切り離されることにげんなりもするくせに、いとも簡単にそのナイフを振りかざす自分に軽薄だよねと思いつつ、本当はわかってる、何色にも分けられていない未分化のその「ある光」にしか希望はないってことぐらい。

というのは小沢健二の受け売りですがそういうことについて考えている夏で、夏なのでフジロックに行ってきたわけで、今年は記念すべき10回目だったわけですがだから書こうというわけではなくフジロックに行ったらば超個人的フジロックNikkiを書き留めるのが習慣化しているから1年ぶりぐらいにこうしてログインしてキーパンチしてる所存。

7.29
今年も諸事情ていうかお金の事情で2日目から参加なので金曜日7時1分に(楽しみすぎて)震える手でタイムカードを押し、退勤して家帰ってご飯食べ最終準備して山口からやってくるさやちゃんを待つ間仮眠。医大生は一番忙しい時期を乗り切った直後で殆ど寝てないらしく着いた時点でほぼ死んでおる。

7.30
朝4時ごろ出発しあら時間ないねと思いながらとりあえず吹田のSAで長旅の無事を祈り名神をぶーん。あっという間に空が白んできてそろそろ朝ごはんだね、あ、じゃあさ、あのおっきーSA、多賀ねそこ寄ろうよと話しながら123キロで高速道路を安全運転していたらどこからともなく現れた警察の方に逮捕される。高速道路って高速で走って良いんじゃないの?ゴールド免許!さようなら。でもこの日は一年で一番楽しい日なのだ。法律だろうが邪魔させないわよケッ、て感じで多賀で朝飯。豚汁。北陸道関越道が通行止めらしいという情報だけどとりあえず帰るわけにいかないんで進んでったら案の定柏崎から通行止め長野群馬苗場ルート選択。ひえー。せっかくなんで信玄餅買ったりしつつ結局月夜野下りたんが2時過ぎ。もー風呂はいろーぜー温泉てことで猿ヶ京で温泉。車置いて会場入ってテント立てて会場入ったのがまさかの6時半社長出勤ですわよ。ぶはー。ビールで乾杯してのそのそ場内に入ってオアシスの入り口でゆんさんというアブナイ先輩に会う。飲み物を調達して戻ったらモリサワ君にゆんさんが「メイクマネーメイクセックスやわ!」とご機嫌で語っていた。奥に進んで、二人はオレンジに行くって言うけど私はひとりトッド・ラングレンみる。夜のヘブンの雰囲気と相まって随分とそこは天国!素晴らしかったしああいう時に誰かと初めて会ったら恋してしまうんじゃないかと思う。オレンジに行って合流。マーク・リーボウ先生が演奏をしていてギターが超絶かっこよく痺れる。かっこよすぎておなかが減ったのでアヴァロンで舞茸丼を食べて、どーするオレンジ戻るのめんどいなあFacesみる?とかゆってたけどいかん、コンゴトロニクスじゃ!てことでオレンジに戻って、マルボロのブースでただ酒貰ったりしながらコンゴトロニクス!超絶良い。楽しい。キールとダンスで酔っ払ってきて、大変上機嫌で(つまり泥酔状態で)みほこちゃんに会って「カップルと友達でフェス来るといくない」みたいな話を聞きながら卓球でまたねーってゆって別れる。オアシスまで戻って鮎食ったぐらいでもう眠くてこれは卓球まで無理かもしらんな…ていう空気が漂ってきたのでとりあえず一回外であそぼーてことでパレスオブワンダーへ。いりたんを発見したのでビールをおごり、和子の息子さん(私は彼の母の名前しか知らない)と4人でフジウジ並び、終わってテントに帰ろうと思ったけど酔っているのと目印のテントが撤収していて大変見つけるのに苦戦する。いつのまにかさやちゃんも戻ってきてる。3時半就寝。

7.31
信じられないことにもう最終日。9時起床。雨。朝ごはん食べないと動けないので、2人が起きるまで場外のベーコンエッグピザ(超美味しい!)とミニッツメイドでひとり朝ごはん。戻っても一向に起きる気配がないので二人を起こし、10時半温泉へ向け出発。12時すぎには上がってたんだけど、3人とも寝不足と筋肉痛とで疲労困憊だったので、ちょっと寝るべてことで温泉の休憩室で寝たら信じられないことに3時半過ぎてて、あれ?こんなはずでは、と思いながら会場に向かって車置いたりテントに忘れものーとかいってたら5時ぐらいでようやく会場入り。オアシスで何か食べてからモグワイ見てるなっちゃんと合流。「夫が荷物をすべて置いてコーナーショップに向かったので戻るまでここを離れられない、モグワイが退屈」というようなことを言っていて、私もモグワイのライブは眠気が誘発されるだけなので退屈でんなあてわけで昨日の舞茸丼を再びキメに行こうぜとアヴァロンまで。斉藤和義さんが「ずっと嘘だったんだぜー」と唄うのを横目にボードウォークでグリーンまで戻りYMO!あの曲もこの曲もけっこうやってくれおお本物だ感とふつうにかっこいいのと小山田がチョーキングするのでどきどきした。オアシスでワッキーに会って相変わらず元気そうでさやちゃんがワッキーの事をいたく気に入ってた。アタリが叫んでて私はアレック王子、とか思ってた女子高生だった。ケミカルブラザーズがおおなんか始めたぞてゆーぐらいで同行した中一人インディー野郎な私はWilcoへ。もうすばらしすぎてくるり観に行ったあの2人ばかね(くるりは大好きです)、と思いながらVia Chicago、Jesus,Etc、I Am Trying to Break Your Heart、Ashes of American Flags!!!!終わってちょっとよすぎてThe Musicテンションじゃない私はところ天国で一人まったり。一瞬しかもたない感情も10年変わらないものも、私の中に点在していて、でも自身という現象が様々な事象、感情、領域を横断し飛び去ってしまわずに円軌道を描き自分と言う領域を形造っていて、つまりその中心には、私自身を繋ぎとめ、暖める何かが存在してるんじゃないのかしら太陽みたいな何か、と何年か前にも思ったようなことを思ったり、時間は交換も反転も可能なのは映画の中だけなのかしら、といった疑問が浮かんだり、とにかくぐるぐるいろんなことが浮かんでは消え一人だらだらごろごろしていたのである。こういう瞬間は必ず自分がいてもいなくてもどうでもいいような気分と普段の生活が私に与えてくれる枠のありがたさとが順番に染み込んできて心地いい。電話来たのでよしいっくかーてんでオアシスまで戻ってモリサワ君とさやちゃんと合流したら西山君がおうおう、お前らといった様子で椅子に反り返って座っており、何だか出所のよく解らない愛着がわいているのに自分でもちょっと驚きつつなっちゃんとちばさん、いやだいちゃんと合流。椅子を奪い取りマーキーの前で飲んだり食べたり踊ったりしてたらモリサワ君もさやちゃんも来てハイジ君もテントからやってきてボンジョビの思い出を語ったり映画とはについて話したり結婚指輪を記念撮影させてもらったり飲んだり食べたり踊ったりしていたら4時半も過ぎ空も白んできた頃5時、ゲートでみんなで記念撮影をして通りがかった西山君にキャンプサイトの入り口でじゃあなお前ら、と挨拶され、テントに戻った。

8.1
9時に起き全然起きれないモリサワ君を銀マットの上に放置してさやちゃんと二人テントを片付け、いつもの温泉に寄って関越乗って、当たり前のように越後川口に寄って昼飯とお土産と激ウマソフトクリームを食らい関越抜けて北陸道、珍しく私どんどん運転して、3時ぐらいにモリサワ君が起きて交代。徳光ハイウェイオアシスでこれももう毎年、海鮮丼食う。うにが品切れであんたら毎年くるなら連絡よこしなさいよ多めに仕入れとくのに毎年忘れちゃうわしかしまあよく飽きずに苗場なんかに、というとっても北国の人っぽいこと言われつつ。酔ってなくて昼間なのにこんなに眠いことってあるのかというぐらい眠かったけどなんとなく起きたまま、多分初めて帰路全部起きてて、多賀SAのスタバでトールラテ飲みながら花火なんか偶然にも見ちゃったりして、夏ね、まだ続くねと切れ切れの夏の色々な記憶思い出しながら、10時ぐらいに帰宅したらうめちゃんがかわいすぎてびっくりしてそのままばたんっと寝る。